【翻訳してみた】外国人のものすごい同人誌レビュー・『不思議の国の魔理沙』

外国人のahm(現役JET参加者)が昨日、このものすごいレビューをようつべにうpしたんだ。
日本語に翻訳してみた。お楽しみください!

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これは『不思議の国の魔理沙』(Marisa in Wonderland)。
メロンブックスで買ってきたのでちょっとレビューしようと思いました。

まずは歴史的背景を少し説明します。

フレドリック・ジェイムソン氏が『政治的無意識』にて、
後期資本主義社会におけるロマンスの再浮上を適切に解釈しています。
現実の世界では積極的にヘゲモニーに対抗しないと社会的・政治的不正から
逃避できないと、ジェイムソン氏が述べます。
我々は有閑階級として、耐えられない生活だからヘゲモニーを破りたいというものの、
色々と不正の恩恵を受けているのでその打破に関与したくないのです。
従って、現代ロマンス文学の様式というのは、
幻想的やシュールな方法でヘゲモニーが破られているひそかな逃避なのです。
その例として、谷崎潤一郎氏のエログロナンセンスを装った文化批判や
粟岳高弘氏の奇妙な地球外・超次元文明の実験場に変貌した瀕死の「田舎」が
挙げられます。

さて、コスミックフォース※のこの同人誌は
後期現代最古のファンタジー・『不思議の国のアリス』の幻覚的な改作により
同人文化の乱痴気騒ぎの中でジェイムソンの一歩先を進むのです。
話の始まりは魔理沙が幻想郷で本を読んでいるところです。
転義はもはや、折り返っていますよね。たしか、魔理沙がすでに
文化産業の具体化や消化された副産物である幻想の国にいるとしたら、
どうやってキャロルの地下へ赴く事ができるのですかね。
いわばプールの脇にアドルノを読んでいると言えます。
コスミックフォース※の物語では
現実が空想に反対できる共通の弁証法なんてありません。
ただウサギをついて行って空想からより深い空想までに移動していきます。
面妖で非常な生き物の表れる空想でもなく、
いつものキャラクターが定められた役割をファンタジーの様式に合わせて
我々を驚かしてくれます。
そして、魔理沙のトンネルの終わりまで進んでいくと、本はまさに
ページから逃げ出してくるのです。
資本主義の全面消費というメッセージを無視している話と同様に、
本のページが普通の同人誌の形そのものも無視して全く別の物、
子供の玩具になってしまいます。
皮肉の無さにはとくに注目します。それは同人文化の長所の一つですからね。
同人サークルは自分の作品をパロディーと呼んでいるかもしれませんが、
実のところ、パロディー的な内容が入っているのは滅多にありません。
アリスという物語については直接に論評している訳ではないのです。
実はこの同人誌が本当の児童書も兼用できます。
隠れた意味は深遠でもなく、ただ大人の精神に刺激するだけです。
絵の存在は子供の精神に刺激すると同じようにね。

はい、僕のレビューでした。見かけたことある同人誌のなかでは
もっとも興味深い作品の一つに違いないんです。
この動画をそこまで観てくれた方々全員におすすめです。


※訳注:サークル名は正確に「COSMIC FORGE」。
当サイトでこの同人誌を注文できます。

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